大腿骨頚部骨折 CPP approachについて

4月から赴任して、書きたいことが山のようにありますが、なかなか時間が取れないのがもどかしいです。昨日も23時台に脛骨骨幹部骨折が来て対応したり、工場で指を挟んだ人が来たりといい意味で忙しくさせていただいています。

4/3に経験した大腿骨頚部骨折に対するCPP approachというものを紹介します。一緒に赴任した同僚が人工関節専門で、CPP approachができるというのでこの機会に教えてもらいました。

CPPはConjoint tendon Preserving Posterior approachの略で、Conjointつまり共同腱(短外旋筋群)を温存するアプローチです。2008 年にKim らがexternal rotator preservation procedure(ERP)というアプローチ法を報告しましたが、梨状筋,上双子筋,および内閉鎖筋を温存する後方アプローチで呼び名は違いますが内容は同じと思います。(Kim YS.et al.Modified posterior approach to total hip arthroplasty to enhance joint stability.Clin Orthop Relat Res.466(2),2008,294-9.)

今までは関節包に到達する際に、梨状筋を同定し、大転子付着部で切離、他の短外旋筋群も大腿方形筋の近位まで一塊として切離して展開していました。もちろん、人工骨頭を挿入後に切離した短外旋筋群は大転子に縫着して修復していましたが、どこまで意味があるのか疑問に思いながらやっていました。

しかし、実際にこの短外旋筋群温存のアプローチをすると、術中の骨頭の安定性を見る際に、骨頭が短外旋筋群に引っかかって脱臼を予防しているのがわかります。それを目で直視できるので、これほど骨頭の安定化に寄与していたとは本当に目からウロコでした。これを知って、今までT字型に関節包を切開していたのはなんだったのかという気持ちになりました。まあそれでも脱臼したことはなかったのですが、今後は術中に脱臼整復などの困難さがなければこのアプローチを続けたいと思います。

整形外科医としては人工骨頭は転子部骨折に並んでよく経験する手術ですが、まだまだ学ぶことがあり、常に知識や技量をアップデートしていかなくてはなあと強く感じました。

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