がん治療に重要なPSと化学療法の印象

4月からがんセンターに赴任して3ヵ月、ようやく仕事にも慣れてきました。整形外科が原疾患の腫瘍は比較的少なく、この分野では乳がんや肺がん、前立腺癌、腎癌、消化器系の癌などがメジャーです。

週1−2で整形外科の腫瘍のオペもしていますが、他科からの紹介で多いのは骨転移の症例です。脊椎転移が最も多く、他は上腕骨、大腿骨、前腕に多い印象。そして癌治療において非常に大切なのがPSです。PSとはPerformance Status。

これがなぜ大切かというと、化学療法(抗がん剤など)などの薬物治療をする際にこれが2よりも悪いと、すなわち3,4の患者さんは化学療法の適応なしとみなされることが多いのです。つまり、ほとんど動けないような人に化学療法をすると却って寿命を縮めてしまう可能性があるということ。

しかし、2と3の違いは微妙なところで少しリハビリをして3から2へ移行する患者さんも結構います。癌は消耗性疾患なので全てがリハビリで動きがよくなるわけではありませんが、筋力維持・強化、歩行訓練をすることで高齢者でも割とシャキッとしてくる人はいます。

個人的見解ですが、抗がん剤は適応があるならやったほうがメリットがあると思います。CTで多発肝転移、多発肺転移でもう1ヵ月持たないんじゃないかと思う患者さんで、抗がん剤投与2週間後のCTで多発していた転移巣がかなり縮小しているのを見たときは、人類の叡智と患者の回復力に感動しました。

世間では抗がん剤に対して悪いイメージをもつ人も多いと思いますが、効くときは効きます。何もしないほうがいいという人がいますが、それは嘘だと思います。助かる可能性を最初から捨て去っています。抗がん剤を投与しても効果が見られない人もいますが、何もしないで自然に放置すると確実に癌は体を蝕んでいきます。小林麻央さんの時も発見は遅れましたが、早期に化学療法を始めていれば治る可能性はあったと思います。安易にエビデンスのない民間療法に走るのは危険だと示した例でもあります。

なので、医学に素人である友人のいうことよりも、どうか医師の言うことをよく聞いて判断して治療を選択してください。一人の医師の意見だけでは不安であればセカンド・サードオピニオンを求めればいいです。必ずベストだと思える治療法に出会えます。それが標準治療です。

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